LOVE
チューニングは合っている。
鼻がむずむずするように、
気持ちが
むずむずしている。
春だから。
もあるし、
いろいろを
感じて
考えていく
ときだから。
というのも
あるのかな。
こういう時期も、
とてもだいじなんだと思う。
村上春樹さんの、
『雑文集』という本が
出ると新聞で見たので、
買いに行ったのですが
見当たらず、
村上春樹インタビュー集
『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』
を買ってきました。
1997-2009までの
雑誌やら何やらに掲載された
インタビューを集めたもの。
少し読んでみて、
これ、
ものすごく、
好きです。
歌も本も人も、
感覚で
好きになるから、
きっと、
そこに惹かれる理由は
もちろん
私の中のどこかに
あるはずなんだけれど、
それが何なのかまでは、
あまり考えていないのですが。
村上春樹さんの本を
なぜ好きなのかが
わかるような、
一行も見逃したくないような、
そんな言葉がたくさんで、
毎日たのしみに
本を開いています。
同じく
村上さんの本で、
『走ることについて語るときに僕の語ること』
も、
とっても好きです。
勇気をもらう。
タイトル通り、
作家となってから、
ずっとランナーとして
走り続けている村上さんが、
走り続けることが自分にとって
どのようなことであったか、
それについて思いをめぐらしたり、
自問自答している本。で、
走ることについて正直に書くと、
村上春樹という人間について
正直に書く事になったそうです。
その日常とは
どんなものかというと。
長編小説執筆中は、
朝4時に起きて、
5時間か6時間執筆し、
午後には
10km走るか、
1500メートル泳ぐ。
またはその両方をする。
それから
本を読んだり、
音楽を聴いたり、
だいたい9時ころには
寝てしまう。
という生活を、
その長編を書き続けている間、
一年なら一年間、
休みなく続けているのだそうです。
“そういう機械的な反復そのものがとても大事なんです。
精神を麻痺させて、
意識を深いところに運んでいくわけです。
長編小説を書くのには、
芸術的感受性と同じくらい、
身体の強靭さが必要とされます”
という内容のことが書いてあって、
これを、
トレーナーのいない状態で、
自分自身で決めて、
実行していくのは、
相当なことだと
心底おどろくし、
尊敬します。
自分自身を
そこに追いやれるだけの力が、
悔しさや情熱、
書くことや、
書けることへの感謝も、
そこから生まれる謙虚さも含めて
あるからだと思うし、
そうやって、
あれらの本を
生み出してきたんだと、
今もそれを続けているんだ。と
思うだけで、
いろんな感情と感動がわきます。
インタビューの中で、
ロシアの読者からの質問に答えた
言葉の中に、
印象的なことばがありました。
“いちばん重要なことは、
お金があってもなくても、
自分の魂をどこまで「飢えた状態」に
置いておけるかということだと思います”
感覚に共感するひとりに
出会えたことだけで
感謝ですが、
その人が日々
どうやって
その自分を保ったり、
発展させたり
しているのかを
知れるのは、
本当にありがたいです。
私は、
信じているひとや
好きなひとに、
いつでもチューナーを
合わせて生きていこうと思います。
こわくなったり、
ちぢこまったり
してもまた、
しっかり
歩いていきたいから。