デアイ
同じ月を見上げた。
夜、
バス待ちをしていたら、
なかなかバスが来ませんでした。
列が長くなってきたころ、
3番目に並んでいたおじいさんが、
「お嬢さん、
今夜は、
十三夜です。
十三夜、知ってるかな。」
と、隣りの中学生っぽい女の子に
話しかけました。
首を横に振った女の子に、
「十五夜が、
半月で、
半分欠けた月の夜のこと。
その2つ前の月が、
十三夜です。
見てごらんなさい。
月。
半分になるのに、
あと少しあるでしょう。
ふふ。」
と、
ゆったりとした話し方で、
教えてくれました。
直接話しかけられたわけではない、
たまたまそこに居合わせた、
わたしたち、
インド人女性、
中学生のコの、
妹と思われる、
12才くらいの女のコ、
そして
わたしも、
どれどれ。
と、
みんなして、
同じ月を、
見上げたりしていました。
本当だ。
これが、
十三夜の月か。
風も強い夜なので、
雲もかからず、
きれいです。
そのうちに、
バスはやってきました。
いい時間だったな。
おじいさんの話しを聞いていると、
日向ぼっこをしているときみたいな
気分になりました。
素敵なひとに会えました。